さくらロード

「また泣いてんのか?」

「泣いてなんかない〜っ」

潤は私の様子を察したのか、リビングからティッシュを持ってきた。

「ほら、これ鼻に詰めろ」

「は、はあ!?」

いくら幼馴染でも、女の子に向かってティッシュを鼻に詰めろはデリカシーがなさすぎる。

「あんたね…!」

「アホ。これ詰めたら匂い嗅がないから目が痛いのがマシになるんだよ」

「…なるほど」

「お前なあ…」

眉間に皺を寄せながら、呆れた様子で潤が言う。

台所には玉ねぎの匂いと、そしてぐつぐつと野菜やお肉を煮込む香りがしていた。