さくらロード

「俺さ、パティシエになりたくて…それで今回学園祭では調理担当に立候補したんだ」

「そうだったのか…」

その潤の目はまっすぐ前を向いていた。

お菓子作りが得意そうだとは思っていたけれど、まさかそんな理由だとは思わなかった。

「もちろん、菓子だけじゃない。普通の飯だって作るし練習する」

こういう何かに燃えている時の潤は、人としてどこか惹かれるものがある。

そこが潤のカリスマ性と言うべきだろうか。

「まあとにかくやってみること。お前飲み込みだけは早いんだから自信持て」

「だけはって…」

褒めているのか貶しているのかよく分からない男だ。

私は目の前にある野菜を一生懸命に切る。
玉ねぎがやはり目にしみる。