そして、この春、とても寂しい出来事があったんだ。

父が…亡くなった。

お葬式には、たくさんの人が参列してくれた。

父の優しさが蘇って来て、泣けてくる。

これからは、僕が母を守ってやらないとな。

しっかりしないといけないと改めて思った。

その時…

その姿に、僕は、なんとも言えない懐かしさを感じた。


『姉さん…?』


姉さんが、僕に頭を下げた。


葬儀に、姉さんが来てくれたんだ。


『この度はご愁傷さまです。お兄さんから連絡を頂いたの。お父さんには、本当にお世話になったから…最後にお礼を言いたくて』

『わざわざ来てくれて、ありがとう。父さん、喜んでるよ。また姉さんに会えて』


いや、嬉しいのは、僕だった。


久しぶりだ、本当に。


5年経っても、全然変わらない。


ううん、ますます綺麗になってる。


そっか…


姉さんは今、幸せなんだね、きっと。