「会いたかったから…。
あの後、どうしてるのか心配してたのよ?」

夏希さんの緊張する様子を見た池田透の
指を鳴らす音だけが聞こえた。

すると、足元からだんだんと浮き出てきて

幽霊が姿を見せたかのように現れた…。

池田透は、あの時見た写真の陰気さは無くなり
髪を短くし、メガネもコンタクトにしたようで
容姿は垢抜けていた。

「おいで、夏希…。」

両手を広げると、夏希さんは池田透に抱き着いた。

2人は恋仲のようだ……。

だが、抱きしめた夏希さんの髪を撫でていた手が
ピタリと止まった…。

「……他の特性の匂いがする。
夏希、裏切ったな?」