「何で……分かる?」

櫂の言葉に廣瀬は驚きを隠せなかった。
彼の言う通り、夏頃から廣瀬は左手に違和感があったのだ。

数日前も、左手の痙攣のせいで皿を割っていた。

紅茶を飲み干したゆめちゃんは、
ただただ不安気な表情で2人のやり取りを見ていた。

「俺は廣瀬の"魔性"を復活させる為に、
今日ここに来たんだ……。」

不穏な空気が、店内を包む。

櫂とさつきさんが日本に帰ってきた理由。

それは、これから先起こるであろうある出来事の
"備え"であると語るのだった…。

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