【バレンタイン&ホワイトデーSS】【番外編】最後の夜に「愛してる」を誓って

キョトンとする彼女の口にチョコをひとつ放り込んで、俺も渋々もうひとつを口に入れる。

カカオも99%までいってしまうと、甘みなんかまったくなくて、ただざらざらとした感触が舌に広がるだけだ。

好きなやつは好きなのかもしれないが、俺からしてみたら苦痛以外のなにものでもない。

「っっっっ!!!」

どうやらやっと彼女も理解してくれたようで、両手で口を抑えて目を白黒させながら腰を屈めてもだえ苦しむ。

「っっなにこれっ!? もそもそして土みたい!」

「それをお前は食わせようとしたんだぞ」

半眼で睨み見ながら、仕方なくその黒い塊を咀嚼し、力を込めてゴクンと飲み込む。

あーコーヒー飲みたい。つかさっき飲んだばかりじゃねーか、何本飲ませる気だ。

テーブルの上にチョコの空箱を置くと、端にある自販機で二本目のブラックコーヒーとラテを買った。

「ほら」

ラテのプルタブを引き缶を開け、彼女に差し出すと「あ、ありがとうございます」と涙目で受け取り、ごくごくと勢いよく喉の奥に流し込んだ。