【バレンタイン&ホワイトデーSS】【番外編】最後の夜に「愛してる」を誓って

「……飲みすぎるなよ」

「もちろんですよ。前のときだって、飲みすぎなかったでしょう?」

「そうだったか?」

「……結局、家まで送ってもらった気もしますが」

あの日は、彼女を家に送って、それきり。だが今日は――。

「――今日は帰る家が同じだからな」

彼女に婚約指輪を渡してすぐ、俺たちは同棲を始めた。

今年は両親に挨拶をして、きちんと結婚までの段取りを整えていかなければならない。

先のことを考えると、面倒くささにため息が漏れるが、ふたりが一緒になるための通過儀礼のようなものだ、仕方がない。

まぁ、結婚と聞いて、瞳をキラキラと輝かせ、そわそわしている彼女の姿を見ているのも、悪くはない。

「とはいえ、お前を地下駐車場から抱きかかえて部屋に帰るのは嫌だからな」

「わかってますよぉ~……」

彼女は少しむくれながらも、丁寧にワインを味わう。