【バレンタイン&ホワイトデーSS】【番外編】最後の夜に「愛してる」を誓って

三年後。

「あ、このお店、覚えていますよ。前に、京吾が連れてきてくれた……!」

ふたり、未来を誓い合った後に初めて迎えたホワイトデー。

あえてあの日と同じフレンチレストランを選んで、彼女を連れ出した。

夜景の見える広めの個室で、あの日と同じワインを楽しむ。

……今回はきちんと事前に予約をして、一番いい席をキープしてもらった。

「ふふ……私、あの日、本当はすごくうれしかったんです。京吾は気づかなかったかもしれませんが、ホワイトデーだったんですよ?」

「知ってた」

「ええ? 知ってたんですか?」

まさかプレゼントまで用意していたなんて、とても口に出せない。

しかも、渡すことが出来ず、三年間も後生大事にしまっておいたなんてことは――。

「――お前は知らなくていい」

「え? ええ? なにがです?」

彼女はキョトンとした眼差しで首を傾げたあと、腑に落ちない顔のままワインを口へ運ぶ。