その時、アナウンスが流れる。
「ここで降りて戻ろう」
「あっ、はい…」

「あの、さっき何したんですか?」
「さっき、って?」
「私を起こした時、です」
「うっ」
 ……あれ、なんか動揺してる。
「どういうことをしたんですか?」
「…眠り姫みたいに」
「眠り、姫?」
 菜央さんは頷く。