「し、信じるも何も…」
 私の頭には、さっき言われた言葉が反響していた。
 菜央さん、本気なんだ…
「……ね、ことね!」
「へっ、あ、はい!」
「大丈夫?ぼーっとしてたけど」
「大丈夫です」
「熱はない?」
 そう言いつつ私の額に触れる。
「っ!やっ、やめて…ください」
「あ…ごめんね」
 その声は、寂しげな色をはらんでいた。