「俺はねー…」
 そう言うと菜央さんは、私の耳に唇を寄せる。
 そして、こそこそと耳打ちする。
「…!」
「ふふっ、恥ずかしい?」
「そっ、そりゃそうですよ!!」
 私は顔を赤らめて叫んだ。
 菜央さんに耳打ちされたこと。
 ーー君の傍にずっといる…ってこと、だよ。
「じ、冗談ですよ…ね…?」
「いんや、冗談ではない。信じたくないんなら、信じなければいい」