だって、健斗目当ての女性客は多い。 それが嫌だ。 簡単に触れてほしくないし、健斗だって話してほしくない。 だけどバイトのだから、そんなわがまま言ってられない。 「だから、そこまで緊張しなくても」 「ち、違うの」 「は?」 「緊張もしてるけど、嫌だなって」 「……何が?」 「健斗目当ての女性客がいること」 モヤモヤしてたまらなくなる。 きっと、これも嫉妬。 健斗が好きすぎるからってことなんだろうけれど。