「タイミング、悪いな」


その時、後ろの席の健斗に声をかけられ、振り向いて見ると、彼は苦笑い浮かべていて。

どうやら同じ気持ちのようだ。


「そうだね、最悪だよ。
せっかく明日は休みなのに……あっ」


そこまで言って、思い出した。

明日は光原先輩率いるバスケ部の、試合がある日だということを。


家にあるカレンダーには書いていたから、学校に行くまでは覚えていたけれど。

すっかり誘うことを忘れていた。


「どうしたんだ?」

健斗が私の反応を見て、そう聞いてきたけれど、別にホームルームの時に言うことじゃないなと思い、後で言うことにした。