1人で勉強しているよりは、ちょっとばかり楽しい。


初めて誰かとこうやって一緒に勉強...をした。


集中できないんじゃないかと思ったけど、
そうでもなくて、皆が皆、自分の教科に必死だった。


学校の自習の時みたいにシーンと静まり返って
ただひたすら、シャーペンの音が響くだけの空間。


ちょっとだけ、居心地がよかった。


現代文の小論文を読み解いているうちに、
少しずつ眠気が俺を襲ってきた。


やべ...。


眠くなってきたかも...。


俺は目をこする。



徠「桜舞、眠くなったか?」


玲「んーっ!俺も眠くなってきたぁ」


桜人「ずっと立て続けにやってるからな、
疲労もたまるだろ」


李「昼寝でもする?桜舞」


桜舞「子供扱いすんなよ、李利」


律「でも、桜舞、無理は禁物だよ」


桜舞「分かってる」



俺は律佳にそう返事をして、立ち上がり、
洗面所へと向かった。



桜舞「徠、洗面所借りる」


徠「おー」


照「少しくらい寝ればいいのにね」


桜人「ま、そこが桜舞らしいんじゃね」


李「うん」



全部聞こえてんだけど。


俺はため息をついた。


俺の手に流れる冷たい心地いい水。


指をそっと曲げて水をくみ上げる。


そのままパシャンッと顔にかけた。


ひんやりとした冷たさがツゥッと頬に垂れる。


開いている窓から涼しい風が俺の髪を撫でた。


気持ちいいな。


見れば、窓の外は少しずつ茜色に染まってきていた。


そういや、もうとっくの前に3時だったけ。


時間ってこんなに早く進むもんなのな。


知らなかった。


李利や照といる時はもちろん楽しい。