李「何人か知り合いがいたから。それで」



え...。


李利は確か、情報通だって聞いてはいたけど...。



桜「ゆっけさんいた?」


李「うん。元気そうだったよ」


徠「すごかったんだぜ、律佳」


律「え?」


徠「李利と歩くとすぐ誰かに話しかけられるんだ。
さっきまでそれで中々動けなかったしな」


律「すご...」



李利の情報網を多少見くびっていたかも。


俺は桜舞と普通に話している李利をじっと見つめた。



李「それにしても、この後どーする?
時間、かなり潰れちゃったけど」


桜「あぁ、悪いな...」


律「桜舞が謝ることじゃないよ。
俺も一緒に迷子になったんだから」



俺が桜舞をフォローしたことで、2人は目を丸くさせ、
顔を見合わせた。


そ、そりゃあいつもは中々喋らないけど...。


ちょっと俺はその視線にムッとしてそっぽ向く。


すると、桜舞がクスッと笑った。



桜「ありがとな」



そう言って俺の頭にポンッと手を置いて撫でてくれた。


なんだか心地よくて、暖かくて...。


徠に撫でられるのとはちょっと違う感じ...。


落ち着くな…。



徠「よかったな、律佳」



いつの間にか、李利と桜舞が歩き出していて、
慌ててその後を追う俺に徠が嬉しそうにニヤッと笑った。


俺は少しだけ頷いた。


ちょっと恥ずかしかったから...。



律「俺、桜舞なら言える...気がするんだ」


徠「...そっか」


律「桜舞は俺にちょっと似てる...から」


徠「そーだな」



徠は特に何も言わず、俺の言葉に耳を傾けてくれた。


俺は自分の気持ちの整理もしながら、決心した。


桜舞が俺を信用してくれるようになったら、
俺が桜舞を支えられるようになったら...全部話そう。