いつか俺が君を幸せにできるのなら

桜「悪い!律佳!」


律「っ!?」


桜「俺が迷わなければこんなことにはならなかったよな!ホントにごめんな!お前、辛かっただろ!?」


律「え、いや...だ、大丈夫だよ」


桜「ホントにごめん」



俺のなだめる声も聞かず、桜舞は必死に俺に頭を下げた。


俺は驚きを隠せなかった。


教室にいる桜舞は女の子のはずなのに、
とても凛としていて、誰も寄せつけない感じだった。


だから話すようになって、少しずつ桜舞の顔を知るうちに
たまにあぁ、女の子だなって感じる時があるんだ。


でも、桜舞はすぐにそれを噛み殺す。


俺にはそれがわかった。


だから、いつも冷静な桜舞が誰かのために
こうやって謝るのを見て、すごく驚いた。


同時にちょっと嬉しかった。


桜舞が俺のことを思って言ってくれているのが分かって。



律「桜舞は悪くない。実際、俺も人混みに流れたから」


桜「え、そーだったのか」


律「うん。多分桜舞もそうかなって思って探してたんだ。桜舞、俺の前にいた...から」


桜「てことはお互い面倒事に巻き込まれたってことだな」



桜舞がやれやれとため息混じりに苦笑してそう言うと
俺も同じように頷いた。


それから2人で顔を見合わせて笑い合った。


桜舞が人前で笑うのを見るのは初めてで
俺はすごく嬉しかった。


桜舞を笑わせられた。