いつか俺が君を幸せにできるのなら


途端に低い声が聞こえて、
一瞬で桜舞が俺と女の間に分け入ってきた。


俺は驚いて、桜舞を見る。


な、なんで桜舞が!?


女を相手に平気なのかと俺は心配していると、
ふと桜舞の体が震えていることに気づいて
俺は息を呑んだ。


本当は桜舞、怖いんだ...。


女たちは桜舞の言った言葉に怒りの声を上げた。



「だ、誰がババアよ!」


「顔がいいからって調子に乗らないでよね!」


桜「俺からしてみれば、お前らは年上のババアだから。行くぞ、律佳」


律「えっ」



驚く暇もないまま、桜舞は俺の手を握って、走り出した。


それはとてつもない速さで、俺はついて行くというよりか
引っ張られながら必死で足を動かした。


女たちが後から追ってきていたけど、桜舞のこの速さに
追いつけないと察したのか、途中で追うのをやめていた。


さっきの場所からかなり離れた所まで逃げてきた俺は
肩で息をしながらここはどこだろうと
視線を動かしていた。


不意に桜舞を盗み見れば、桜舞は少しだけ息切れをすると何事もなかったように辺りを見回していた。


桜舞って、運動できるんだな...。


得意なこと、何も無いなんて嘘だ。



桜「悪い、律佳。へーきか?」



桜舞は息切れの激しい俺を心配してくれた。


俺は心配させたくなくて、大丈夫だと言ったけど、
桜舞は少しムッとした顔で近くのジュース屋で
ジュースを買ってきて俺に渡した。


俺は遠慮がちにそれを受け取り、飲んだ。


甘いオレンジジュースが染み込むように俺の喉を通る。


美味しい...。