飛行機の奴に乗ってから、俺は桜舞を追って
人混みに流されて迷子になってしまった。


元々人嫌いの体質は遊園地なんかに向いていないのに...。


どうしようかと迷っている内に変な女たちに絡まれた。


厚化粧で鼻につく香水をこれでもかとつけている。


もしかしたら、桜舞がここにいたらうって顔をするかも。


俺はなんとなくそう思った。


俺は基本的、玲空たち以外とは関わらない。


それが自分にとって好都合だと思っているから。


でも、転校してきてから桜舞たちと出会って
俺の考えは少しずつ...変わっていった。


李利や照は玲空たちと同じようにいい人で、
誰かのために何かを犠牲にしようとする人だった。


それは一緒にいて、悪いものじゃなかった。


李利たちの中心にいる桜舞は出会った時から感じていた。


何か...似てるって。


それから俺は自分でも驚くくらいに
桜舞を見るようになった。


多分桜舞は女が嫌いなんだと思う。


李利以外の女の人と接触する時、桜舞はなんだか
素っ気ないっていうか、怖がっているっていうか...
そんな態度をするから。


俺と同じで...。


そんなことを呑気で考えていたせいか、
女たちが調子に乗って俺に近づいてきた。



「今暇なんでしょー?私たちと遊ぼうよぉ」


「ね!ね!」


律「や、やめ...!」


桜「おい、ババア。俺の連れに何してくれてんだよ」