桜「なんで、絡まれてたの」


律「...っ」


桜「無理に話さなくてもいーよ。辛いのはお前だしな」


律「俺、桜舞が見えなくなって、探してた」


桜「え」


律「そしたら、あいつらが来て...」



てことは元凶は...俺!?



桜「悪い!律佳!」


律「っ!?」


桜「俺が迷わなければこんなことにはならなかったよな!ホントにごめんな!お前、辛かっただろ!?」


律「え、いや...だ、大丈夫だよ」


桜「ホントにごめん」



俺が急に謝ったことで律佳は驚きを隠せないようだった。


俺、こんなに誰かに必死に謝ったの...久々かもな。



律「桜舞は悪くない。実際、俺も人混みに流れたから」


桜「え、そーだったのか」


律「うん。多分桜舞もそうかなって思って探してたんだ。桜舞、俺の前にいた...から」


桜「てことはお互い面倒事に巻き込まれたってことだな」



俺が苦笑してそう言うと、律佳が頷いた。


それから2人顔を見合わせて笑い合った。


ごく自然に、いつものように...。


誰かと本当に笑い合えたのは...いつぶりだろうな。



律「桜舞?平気?」


桜「あ、あぁ。言ったろ、いつものことだって」


律「うん...」



律佳は疑問のある顔で曖昧に頷いた。


俺はその顔を見て、直ぐに察した。


こればっかりは隠しようがないもんな...。