桜「え」


律「俺も、嫌いだから」



じっと俺の目だけを見つめてボソッとそう言った律佳。


なんだか分からないけど、その目には深い影が漂っていて
俺は他人事に感じられなかった。


きっと律佳は俺と同じものを抱えてる。


そーいや、前に李利が言ってたっけ。


律佳は人嫌いだって。



桜「サンキュ...。助かる...」



俺はすぐに律佳からもらったヘッドホンを身につけた。


さっきまではクラス行動で遊園地周辺の観光スポットを
回っていたが、今は遊園地内で班自由行動となっている。


ので、俺と李利、徠、律佳で遊園地を回っている。


はずだけど。


平日なのにも関わらず、人という人がわだかまりとなって
アトラクションの前に列を作っていた。


そのせいか、乗り物関係に乗れず、
ただ遊園地内を歩き回っているだけになってしまった。



李「うーん。見事に乗れないね。他の班もそーなのかも」


徠「まずいな。このままじゃ、ただの散歩だ」


李「そろそろ何かで気を紛らわさないと、この2人、持ちそうにないしね」


徠「だな...」