...帰りたい。



李「桜舞、顔に出てるよ」


徠「うわ、すげぇ顔してるぞ。てか、律佳も」


律・桜「「帰りたい」」


徠「おいコラ、始まったばかりで、んなことハモンな!」


李「ていうか、ホント読み通りで安心したけど...」


徠「ん?」


李「桜舞と律佳って少し似てるよね」


徠「あぁ...確かにな」


律「...」



そんなことは今どーでもいいだろ...。


そう、俺たちは歓迎旅行に来ている。


場所は...県外にある遊園地。


俺がこの世で1番嫌っている場所の1つ。


おい、あの担任...なんでわざわざここにしたんだよ!


俺はバスに乗って看板を見てからずっとそうやって
イラついていた。


李利はやれやれと肩をすくめていたけど。



「キャー!見て見て!超可愛い!」


「はい!チーズ!」


「行くよー!」



妙に耳につく甲高い声に俺は耳を塞ぎたくなる。


油断すれば次々と俺の嫌いな声が耳を刺す。


やばい...。


想像していたとはいえ、ここまで大勢の人だと...。



律「ん」



マスクを鼻の上の上まで引き上げた時、
隣にいた律佳が少し小さめのヘッドホンを
俺に差し出した。