「ちょっとあんたぁ、なに玲空くんに
失礼なこと言ってんのぉ?」



猫撫で声に思わずビクッと震える。


てか、いつの間に名前で呼びあってんの?


だから女は怖い...。



玲「えっと...俺、クラスメートの名前は覚えておきたい
って思ってるんだけど...ダメかな?」



は?


俺は驚いてそいつを見つめる。


素っ気ない態度されて普通そんなこと、言えるか?


こいつ、どんなけ図太いんだ。


俺は半ば呆れながらも、そっぽ向いて名乗った。



桜「帝月桜舞」


玲「桜舞か!いい名前だね!」


「んもぅ、玲空くんー。
そんな奴放っておけばいいのにぃー?」


玲「それはできないよ。同じクラスメートなんだから」


桜「...」



こいつ、馬鹿だ。


俺は短い会話の中でそれを悟った。


隣の女はそれでもと自分の話題を逢隈にふっかけて
会話をしようと媚びる。


気づけば周囲にいくつかの女子が集まってきていた。


クソッ...。



照「桜舞ー、大丈夫?」


桜「照...」



俺の様子に違和感を感じた照が話しかけてくれた。


少しだけ気分がやわらぐ。