いつか俺が君を幸せにできるのなら

桜舞「朱里ちゃん」


朱「おぉ!?なんだ、朝っぱらから...って桜舞じゃねぇか。どーしたんだ?」



気さくな笑顔で俺に話しかける朱里ちゃんを
一刀するように俺は今朝もらったばかりの
手紙を差し出した。


朱里ちゃんはサッと顔を暗くさせる。



朱「お前、これ...」


桜舞「多分いたずらの犯人だろうな」


朱「行く気なのか?」


桜舞「まぁ...行かない訳には」


朱「1人でかっ!?」


桜舞「うん」


朱「無理は言わねぇ。けど、1人は絶対に危ねぇ!」



朱里ちゃんが俺の肩を持つ。


真剣な朱里ちゃんの眼差しが俺の心を突き刺す。


でも俺は朱里ちゃんを見据えたまま、
静かに自分の心に語りかけるようにして、口を開く。



桜舞「もし、これで俺が行かなきゃ、あいつらは
何をするかわからない。李利や照が標的になる。
そんなの俺は絶対に嫌だ。させない。
だったら、俺が傷ついた方がいい」


朱「そ、そーかもしれねぇけど...」


桜舞「もし、俺に何かあったら朱里ちゃん、よろしく」


朱「...桜舞!」



朱里ちゃんが後ろから俺を抱きしめてくれる。


タバコの匂いがふんわりと漂った。



桜舞「行ってくる」


朱「...」



朱里ちゃんは返事をしなかった。


辛そうにそっぽ向いて...。


俺だって行きたくはない。


多分またいつかのようになるだろう。


それでも俺は行くんだ。


李利と照を守るために。


律佳と向き合うために。


自分に勝つために。


怖くて足が震える。


このまま教室に戻るのが怖い。


うまく笑えるだろうか。



桜舞「大丈夫...」



胸に手を当てて、目を伏せる。


さあ、行こう。