桜「ありがと、朱里ちゃん」



俺は1時間目の間を保健室で朱里ちゃんと過ごし、
大分落ち着いてきたので教室に戻った。


朝よりも時間が経っているから、きっと大丈夫だと思う。


教室のドアを開け、何事もなかったように中へと入る。


いくつかの視線が俺の方へと向いたけど、
気にせず、自分の席へとつこうと足を運んだ。


げっ!


なんで俺の席の後ろがあいつなんだよ!


チラッと李利の方を見ると、
仕方ないと言うように肩をすくめた。


俺は盛大なため息をついた。



玲「あ!戻ってこれたんだね!体調は大丈夫?」


桜「...あぁ」



初対面なのにいきなり話しかけてくる奴がいるか?


俺が怪訝な顔で半ば睨みつけるも、
逢隈は気にしない素振りでニコッと笑った。



玲「俺、逢隈玲空。よろしくね」


桜「...」


玲「君の名前は?」


桜「教える必要あるかよ」


玲「えっ」



俺自身としては女が群がる元凶のお前と
少しでも関わりたくない。


とは言えないけどさ。


失礼だとは思うが、こういう態度なら不快に思って
二度と近づかないだろうし。