ここ数日...何かがおかしい。


桜舞の周りで奇妙なことばかりが起こってる。


靴箱が誰かに開けられていた形跡があったり、
教科書が何故か濡れていたり、とまぁ大体が想像つく。


おそらく犯人は...玲空たちの取り巻き。


しばらく何もしてこなかったと思えば、とうとう手を出し始めたか...。


玲空や徠が取り巻きとは縁を切ったとはいえ、
その人気は未だ継続中だ。


分かってはいたけど、まさかこうなるとはね。


面倒なことになったなぁ...。


桜舞も薄々勘づいてるはずだ。


極度に女嫌いの桜舞が女にこんなことされたら、
一溜りもない。


どうにかしなくちゃ。


私の情報網があれば、犯人は簡単に割り当てられる。


けど、それから先は考えないとな...。



照「李利?顔色悪いよ?」


李「あぁ、うん」


徠「へーきか?保健室行くか?」


李「断じて行かない」


玲「え、なんで?」


桜人「そういや、保健室の人と李利は兄妹なんだっけ」


律「え、そーなの?」


桜舞「...あぁ」



桜舞は肩肘をついて、ぼうっとしながらそう答えた。


その様子に何かあったと勘づいた玲空たちは
さっと視線を見合わせあった。


けど、私と桜舞はもう決めてある。


この件は解決するまでは公にはしない。


いくら関係ないとはいえ、自分の取り巻きだった
彼らが実質的被害を与えているのは心痛いはず。


それは桜舞が言ったことだった。


私は胸を痛めた。


同時に少し嬉しかった。


あんなに避けがっていた玲空たちを桜舞が
大切に思うようになるなんて。



玲「桜舞もなんか顔色悪いよ?大丈夫?」


桜舞「あぁ。へーき」


律「平気そうじゃない」


李「大丈夫。桜舞、行こ」