嵐が収まり、穏やかな波の上に浮かぶ船の上に立っていた船乗りの海斗は、一旦船を止めて応戦に入った。

(あれ?キャプテンと湊は…?)

海賊と戦いながら、冷静に辺りを見渡した海斗は疑問に思った。海斗は、嵐の中の船を運転するのに夢中で周りが見えていなかった。

(もしかして、あの嵐で海の中に?…2人とも無事だと良いけど)

海斗は2人の無事を祈りながら、海賊の剣を弾き返した。

海斗が応戦して数分が経つ頃、海賊は自分の船に乗り込み、逃げていった。海斗は剣を鞘に収め、香織と湊の話を聞いた。そして、頭を抱える。

(…どうやって2人を探し出そうか)

海斗は、しばらく晴れ渡る空を見上げていた。