燻る紫煙

そして翌日。

私は部屋であの人からの連絡を待っていた。

こうやって、1人あの人を待ち続けるのには、

もう慣れてしまった。

最初は、

あの人はもう戻って来てくれないのではないか。

私のことなんて何とも思ってないのではないか。

と、いつも不安にかられながら、

待ち続けていた。

私だけが、

あの人の後を追い、あの人を待ち続けている。

いつもそうだった。

それでもよかった。

必ず、

あの人は私の元へと戻ってきてくれるから。

私は、

そう信じていた。

でも、今回ばかりは違うような気がする。

なぜだか、あの人の存在が、遠のいているように感じた。

あの人は必ず来ると約束してくれた。

しかし……

そんなことを考えていると、

玄関のチャイムが鳴った。

急いでドアに向かって走って行き、扉を開けた。

そこには、

私が待ち続けていた、あの人ではなく、

1人の、

見知らぬ女性が立っていた。