ぬるいと言ってしまおうか。

 日常とかした非日常のループに、エリエスサニサルーテルはため息をつきながらうなだれた。

 今しがた出来上がったばかりの赤いろの飲み物も馴れてしまえば味気のないものだ。

 「…っうぼっ」

 「…失礼いたします」

 微かに聞こえた不快な音に、執事のカフカリが一礼して詫びた。

 「あらあらまあまあ」

 茂に隠れた新人か、手入れのはれた芝に吐瀉物を撒き散らすのは。

 見ない顔の新鮮な反応に、エリエスサニサルーテルは新しいおもちゃを与えられたこどものように目を輝かせた。

 悪い癖が出たとカフカリが制止するもとまるわけもない。

 「ほーら、人の臓物を見るのははじめてか?これは目玉だよー」

 人差し指と親指で摘まんだ丸い玉を口にいれ舌で転がして見せた。

 見開かれた目に、舞う吐瀉物。

 エリエスサニサルーテルの笑いがとまらない。