いや、でも待って

(もう卒業・・・)

そう、もうあとはテストを受けたら卒業なのだ。
今まで何度も恋をしてきたわけでも、彼氏がいたわけでもない。そんな私にとって残り少ない日数で、☆に気持ちを伝えたり☆と恋人になるなんてできっこない。

マンガの中なら可能だろう、しかしこれはマンガじゃない現実なんだ。
そんなマンガみたいな、おとぎ話のようなハッピーエンドは存在しない。


「今更気づいても遅いけどね、」

「何言ってんの!卒業式でバチッと決めてきなさい!!」

「ええ!?無理だよ、できっこない」

玉砕決定が行動する前から決まっているのに告白なんて、私のメンタルはそんなに強くない。

「あのねえ、○。☆ってかっこいいから結構モテるんだよ?卒業式なんて好意を寄せる女子にとって最大のチャンス。みんな告白するんだから。もし万が一あんたがふられても大多数の一人なんだから誰の記憶にも残らないわよ」

誰の記憶にも残らないなんてそれはそれで悲しいかも・・・


「でも○、#のいうことも一理あるよ?まあ、ふられることはないと思うけどね」

「ふられることはない?それじゃまるで・・・」

「そう、私たちの見立てでは☆も○のことが好きだと思う」

そんなうまい話が現実にあるだろうか。☆は少し前まで♡と付き合っていたのに。