「迷惑なんて思ってない。それに本当に迷惑だと思っているならあそこで助けたりしない。」
「でも…」
「差し伸べた手をお前は取ったんだ。それなら最後まで甘えとけ。」
すごく暖かい人だった思った。
言い方は淡々としていて冷たく聞こえるが、言葉にはこの人の優しさが詰まっている。
「ありがとうございます。」
嬉しさに満面の笑みで返せば、男も口角を上げながら頭を撫でてくれた。
「こんなふうに人に頭撫でられるの久し振りで何だかくすぐったいです。」
「あそこにはどれくらい前に?」
どれくらいなのだろう。
あそこにいる時、時間の感覚なんてまるでなかった。
「時間の感覚とかなくて、はっきりとは…」
「そうか。もっと早くに見つけてやれればよかった…」
「そんなとんでもない!今助けてもらえてすごい嬉しかったです!本当に!」
必死に気持ちを伝えればククッと笑いながらまた頭を撫でてくれた。
「それならよかった。」

