氷のような彼は陽だまりのように暖かい


しばらく経って、ふと気づくと騒がしい音は静まり返っていた。

そしてゆっくりとした数人の足跡が近づいてきた。

あの女じゃない、違う誰かの足音が。

あの女はこんなにゆっくりと歩かない。もっとせかせかと何かに追われているようにはや歩きだ。

なら、この足の主は誰?

あの女の言いつけ通りに、私は気配を殺した。


「屋敷の方は片付きました。後は回収のみです。」

声を聞く限りいるのは男だ。

「ここにはもう生き残りはいないかな〜」


«生き残りはいない»

つまり、私が生きているとバレれば殺される。

殺されたってもういいのかもしれない。むしろ楽になれていいのかもしれない。

だけど、やはり怖い。


「いや、まだ人の気配がある。」


背筋にひんやりとした汗が伝った。