今夜、月に煌めく頃に【短編】

「何あれ?!」

「あいつの持っている羽団扇は一振りで風雨、火炎、飛行ほとんどなんでもできる。だがあいつほどの下級天狗があれを持つことは禁じられているはずだ」

「いくら大天狗といえど何百年も生きていれば滞るもんだよ」

「盗んだのか?!」

「あんな老いぼれの代わりに九尾に制裁下してやってんだから感謝してもらわねぇとな」

「そんな悪いことしたらダメだよ」

「たかが小娘ごときが、俺に指図するな!」

天狗の怒鳴り声に私は少し怯んだ。

「貴様にわかるか?何十年も仕えて見捨てられた俺の気持ちが。普通に生きてる貴様にはわからんだろうな。俺の味わう屈辱。」

「見捨てられた?」

「大天狗の宮で俺は仕えていたんだ。だが捨てられた。天狗の里に使えないものはいらないんだとよ。俺は羽団扇を使ってこの世界に復讐してやる。阻止全てを我のものに......」