しとしとと雨が降っていたある日


「璃子ちゃん今日も行ってくるね」と母が優しげな笑顔で語りかける。


「ごめんなー1人にして、早く帰ってくるからな良い子でいるんだぞ?」父も決して怒る人では無かった

だからこそあの時の笑顔が忘れられないんだ。

もう同じ日は2度と来なかった。

父と母には会えなかった。


「じゃーね璃子ちゃんまたね。」


玄関の、ドアが優しく閉まった。