お昼休み、購買でパンを買ってきた帰り道、私は廊下で遠藤君を見かけた。
自然と遠藤君を見てしまう。
でも、遠藤君の横にいるのは桜子だった。

「じゃあさ、メルアド交換しよ!」
「ん、別にいいよ。」
「わぁーい!やったぁ!」
「はしゃぎすぎだよー」

聞くつもりのなかった会話が耳に飛び込んできて、離れなくなった。
桜子と遠藤君が仲良くメルアドを交換している。

パタン、ガチャン。

私の心の扉がが音を立てて閉じていく。きつく、きつく閉じていく。

私は廊下を駆け出した。

もう何も見たくない。何も、見たくない