回る歯車

「あの、ごめんください」


自分にしてはよく言えた言葉だと思う。


しかし中から返事はない。

確かに声は小さかった。


緊張する。でもやらなければいけない。

すぅーっと大きく息を吸って。



「ごめんください!!」


心臓はバクバクだが、言えた。こんな大きな声を出したのは、何年ぶりだろう。