回る歯車

そうだ、西條病院。

空のお父さんが院長の、西條病院に運ばれたんだ。

空が、苗字を名乗らなかったのは、私が空を探せないようにするためだけじゃなかった。

自分がいる病院を教えて、私が来てしまうのは、空にとっても私にとっても辛いことだと、そう考えたんだと思う。

でも、私は行かなければいけない。

あの言葉をいち早く空に伝えて、空の辛さを減らしてあげたい。

あの森から西條病院までは、車で20分ほどだったと思う。

「はぁ、思い出してきた、!」

どんなに疲れても止まるわけにはいかない。

どんどんと幼い頃の空との思い出が蘇ってきて、涙も溢れそうだった。

涙で視界が塞がれても、走った。

「空!もう少しだよ!!」