起きたばかりでよろける体を何とか保ちながら、一度店の外に出る。

「変わってるわけないかぁ、」

店の外には何も変化が見られない。

「それなら…」

私は森の外を目指して走っていく。

その途中に見られる、木に結び付けられた2色のリボンが、空がいた事をさらに強く証明している。そんな気がした。


森を出る、1歩を踏み出すとき。

ふと後ろを振り返り何歩か戻る。

「1本くらい、大丈夫だよね。」

水色と白のリボンをひとつずつほどき、2つを結び合わせて長い1本のリボンにした。

目印が2つほどなくても、何日も通ったこの道を、忘れるはずがなかった。

胸まである髪をグイッと持ち上げ、そのリボンで結ぶ。

「これでまだ一緒だよ、空。私は絶対空を助ける。」

そう自分に言い聞かせるかのように一言。

そして、また走り始めた。