「それわかる、…って……」
「だよね!…に絡むとろくなことないって言うかさ〜」


徐々に聞き取れるようになる会話。嫌な予感はしていた。



「やっぱ三神って」


教室の前で一瞬止まる会話。

そしてドアが開く。



「何考えてんのかわかんないよね〜!」



少しの間流れる沈黙。


「三神!?その、これは違くて、」


「…」


無言で荷物をまとめ教室を出る。



…人付き合いが上手い人なら、あの場は上手く切り抜けられたのだろうか。


否、そもそも人付き合いがいい人にあの様なシチュエーションは存在しない。



日誌なんて放っておいて、足早に外に出た私には、嘲笑うようなひぐらしの声がうるさかった。