二秒の世界で僕は死ぬ

「お、山木!はよ!」

冬休みが終わってまた学校が始まった。
朝っぱらから先輩に声かけられた。
つっても、唯一俺がよく話す人。
うざいだなんてそんなことは思わない。
人との付き合いとかめんどいとしか思ってない俺がこの人と話したきっかけはもう覚えてない。
ただ、声かけられて。
なんとなく今でも思うのは、寛大、かな。
親父みてぇ。
いや、ただのお節介だ。

「先輩、お節介」
「なんてこと言うんだ先輩に向かって…!」
大袈裟に言う先輩に少し笑って
「はよー」とだけ言って教室に向かう。
この学校に先輩がいるのもあと少しだけなんだな。
改めてそう思って、それは少し、少しだけ、寂しく感じられた。

(ていうかあの人、受験勉強とかしてんのかな。高校行けなさそう…)

自分でも思うほどに、先輩に対しては失礼だ。
だけど、俺が素でいられるのは、その先輩だけだ。