「亜香里ちゃん」

後ろを見ると、私の親友の弥生がいた。

「川辺君のことは残念だったよね。」
……うるさい。

「亜香里ちゃんと友達だったこと、川辺君はすごく嬉しかったと思うよ。」
………うるさいうるさい。
「だから前を向いてさ、」

バンッ!

私は無意識のうちに机を叩いていた。

「うるさい!あんたなんかに何がわかるって言うの!?わかったような口を聞くなよ!」

弥生は恐怖で立ちすくんでいたが、かまわず、私は続けた。

「幼なじみが死ぬってこと、どんなにつらいかわかってるの!?」

教室の空気が張りつめる。

「…………またか。」

誰かがボソリと呟いた。すっかり頭に血がのぼっていた私は気付かなかった。