危ナイ隣人

あ……やば。眠い。

お風呂まだだし、歯も磨いてない。


頭では色々考えるのに、体は言うことを聞かないで、どんどんまぶたが落ちてくる。


ふっと何かに魂を抜き取られたように、私は眠りについてしまった。





意識の遠くで、物音が聞こえる。


ソファから体を起こすことなく、目を開けることもなく、ただ何となくその音に耳を傾けた。


チャリン、て何か金属の音。それから、ギィーって鈍い音。



……もしかして、お隣さん?

金属音は鍵の音で、鈍い音は扉の音……かなぁ。


意外と物音聞こえるんだな。気をつけなきゃ……って、アレ?

先に鍵の音がして、その後扉の音。ってことは……お隣さん、今帰ってきたの……?



薄目を開けて、昨日壁にかけたばかりの時計を見上げる。

ぼんやりと映った時計の秒針は、9時過ぎを指していた。


……まぁ、大人なら朝帰りのひとつやふたつ、あるよね。


夜中働いてる人かもしんないし。うん、そうだ。この時間に帰ってくるのなんか不思議じゃない。私はしたことないけど。


お兄ちゃんだって……朝に帰ってくること、たまにあったもんね。