危ナイ隣人

不思議そうに首を傾げている2人に曖昧な笑みを返すことしか出来なかったけど、その時ちょうどチャイムが鳴ったので助かった。




「2人はさぁ、何歳差までが恋愛対象?」



くるみがそんなことを無邪気に聞いてきたのは、お昼休みのことだった。


真帆の机と、隣の田中くんから拝借した机を2つ合体させ、椅子を持ち寄ってお昼を食べていた時。


いつもと言えばそうなんだけど、今日は特にくるみの話に脈絡がなくて、私はすぐにその言葉を理解することができなかった。



「好きだねぇくるみ、そのテの話」


「あたりまえじゃん! 華のJKだよ? 恋バナしないで何するの」


「華のJK、ねぇ」


「あ、茜! 今バカにしたでしょ」



ぷりぷり怒るそぶりを見せるくるみに、私は思わず苦笑してしまう。


昨日もJKって言われたなぁって思い出しただけなんだけど。ゴメンよくるみ。



「何歳までとか、興味なさすぎて考えたこともなかったなぁ」


「茜ってば、モテるのに相変わらずだねぇ。こりゃ男子達も苦労するわけだ」


「べつに苦労していらないんだけど……」



お弁当が作れなかったために食堂の購買で買ってきたパンを頬張りながら、考えを巡らせる。