危ナイ隣人

「ゲッ、嘘でしょ」



フローリングが傷んで、ささくれみたいになっちゃってる!


いよいよやばい。っていうか水浸しになるだけで、こんなになっちゃうもんなの?



「と、とりあえず学校行く準備しよ……」



どうしようとか考えてたら、頭が痛くなりそうだ。


時間は止まってくれないし、一旦思考を停止することにした。





準備するのに手間取って、家を出たのはギリギリだった。


私が通う県立南高校は、家から徒歩15分の距離だ。

と言ってもそんなに近くなったのは引っ越してきてからのことで、一人暮らしをする前は電車含め1時間近く。

家事とかは大変だけど、これは引っ越ししてきてよかったことだった。



朝のホームルームが始まるギリギリに教室に滑り込むと、真帆とくるみが私に気付いて近づいてくる。



「ギリギリなんて珍しいじゃん」


「うん。もうちょっと早く家戻ればよかったかも……」


「家? 忘れ物でも取りに帰ってたの?」



きょとんとする2人に、しまったと慌てて口を押さえる。


言えない……。

色々やらかして、よく知らない男の人の家に泊めてもらったなんて、口が裂けても言えない!