あっという間にキラキラ輝く夏になっていて、かと思えばすぐに、景色は紅く染まっていくんだろう。


楽しみだな。

これから、どんなことが私達を待ってるのかな。


いいことばかりじゃなくても、夜も眠れないくらいつらいことがあっても、私は一つひとつを乗り越えていける自信があるよ。


それぞれで頑張る友達の存在と、揺るぎないお兄ちゃんへの信頼と、私を見守ってくれる人達の優しさと。



超特急でメイクを済ませ、服を着替えて家を飛び出す。

と、ドアの開く音が重なった。


扉から顔を出すと、ちょうどお隣からナオくんが出てきたところだった。

向こうも私の存在に気付き、2人して笑い合う。



「いってらっしゃい。気をつけてな」


「いってきます。ナオくんも、いってらっしゃい」


「おう。いってきます」



──それから、この人が傍にいてくれるから。



ねぇ、ナオくん。

ナオくんは照れて言ってくれないんだろうから、その分私が伝えるよ。


素直になれる場所を、あなたが私にくれるから。



今日も明日も、明後日も。

これからもずっと、あなたは誰よりも大切な──愛しい隣人。




fin.