危ナイ隣人

「え……?」


「でも……沢山考えて思ったの。今までみたいに一緒にいられなくたって、私は変わらずナオくんのことが好きなんだって。距離なんか関係ないんだって」



だから、これからもナオくんの隣にいたい。


続けて言おうとしたところで、



「ちょ、ちょ……。タンマ!」



ナオくんの大きな手が、ずいっと目の前にかざされた。


思いもよらない静止に、小さく声が漏れる。



「ナオくん……?」



開かれた手の指の隙間から、ナオくんの焦ったような顔が見えた。



「そういえばこの前も言ってたけど……離れ離れとか、一緒にいられないとか距離とかって、何の話?」


「何の話って……ナオくんの異動のことに決まってるじゃん!」



何を今更!

異動の話を聞いたから、私はこんなに逃げ続けてたんじゃんか。



「……そうか、そういうことか」



私の言葉を聞いたナオくんは、ようやく腑に落ちたとでも言うように数回頷いてから、苦々しそうに息を吐いた。


な、なんでそんな渋い顔を。


首を傾げた私を見上げて、気の抜けたような力のない笑みを浮かべたナオくん。



「異動はあるけど、俺はどこにも行かねーぞ」


「……へ?」


「いや、訓練とかでしばらく家空けることはあるけど……。

引っ越しもしないし、多分お前が思ってるような遠距離にだってならない」


「え!?」



ナオくんによる予想外の発言に、思わず大きな声で反応してしまう。