危ナイ隣人

一緒に歩くことを望んでくれた人。



右手の指先で、そっと自分の首元を辿る。


確かにここにある、かすかな温もりを持った輝き。



ここ数日、鏡に映る自分の首元を見ては、胸がぎゅっとなって顔を逸らした。

現実から逃げてしまいたかったけど、ネックレスを外すことは出来なかった。


きっと、それが答えだったのに。



離れ離れになったって、私の想いは変わらない。


……ううん。もしかすると、変わってしまう日は来るのかもしれない。未来のことは誰にもわからない。



けど今、私はナオくんのことが大好きで、ナオくんも私のことを大事に思ってくれていて。

例えこの先どんな結末を迎えることになっても……今は、お互いのその気持ちだけで十分なんじゃないの?



「ナオく……っ」



ナオくんが与えてくれた沢山の幸せが、頭の中に浮かんでは溢れていく。


不器用に、ぶっきらぼうに、恥ずかしそうに、私を包み込んでくれた。私に想いを伝えてくれた。



もしかしたら今回の異動のことも、タイミングを見て、私を動揺させない方法で伝えようとしてくれていたのかもしれない。

私を安心させるために、最善を尽くそうとしてくれていたのかもしれない。



それなのに私は。



「会わなきゃ……」



会って、ちゃんと伝えなきゃ。


逃げ出してごめんなさい、って。

環境が変わってしまっても、私はナオくんのことがずっと大好きだって。