「ほら、さっさとシャワー浴びてこいAカップ。風呂溢れさせただけで、まだ入ってないんだろ」


「なっ……!」



いきなりシャワーなんて言われて、不覚にも動揺してしまう。


それが伝わってしまったらしく、ナオくんは不敵に口角を上げた。



「心配しなくても覗いたりしねぇって。俺の許容範囲はCからだ」



な……なんて最低な発言! しかもあくびしながら言う!?


わなわなと震える私をよそに、彼はやっぱり平然としていて、それが尚更私を揺さぶる。



「んじゃ、俺はもう寝るわ。タオルとか好きに使っていいから。ま、Cまで育ったら起こしてくれ」



短くなったタバコを卓上の灰皿に押しつけて、彼はリビングを出て行ってしまった。


部屋に残された私は、ひとり声にならない声を上げる。



なんなのよあの男! セクハラにも程がある!

こちとらJKなんだけど! 私が訴えたらすぐ捕まるよ!?

っていうか、Cからしか受け付けないとか何様だよコノヤロウ! 贅沢すぎるわ!



──あぁもう、前言撤回!

403号室の住人は、やっぱり危険だ!