危ナイ隣人

「成人してお酒入ったりしたら、もっと騒がしくなりそうだね」


「あはは。楽しみだけど、想像するの怖いや」



ティーパックから抽出された紅茶に、ミルクを注ぐ。


ミルクティーが入った2つのマグカップは、塚田くんが持ってくれた。



それぞれ床に腰を下ろして……って、他の3人は既に着席してたけど。テーブルを囲んで、お互いの顔が見渡せるよう座り込む。


「では改めて」と先陣を切ったのは近藤だ。



「昴と御山、受験お疲れ様!」


「お疲れ様ー!」



近藤の合図に、ミルクティーの入ったマグカップがカチンとぶつかり合う。

……ホットのドリンクが入った乾杯なんて、初めてだよ。


みんなもそうなのか、少し慎重気味だったのは気のせいじゃないと思う。



「それにしても、昴はM大、御山はR大かぁ。なんか、一気に2人が凄い人に見えてきた」


「あはは、ちょっとわかるかも。私には目指すことすらない学校だもん」


「何言ってんの。みんなだって、志望校に合格したじゃん」


「それはそうだけどさぁ」



こうして、5人でわちゃわちゃするのはとっても久しぶり。


今日は、受験を終えた私と塚田くんのために、3人が企画してくれたお疲れ様会だ。



「でもさ、やっぱ凄いよな。2人とも、初めから突出して成績上位だったってわけじゃないじゃん。

すっげぇ努力して、うちの学校じゃトップレベルの合格実績挙げたんだもん」


「自慢の友達だよ。ねっ、真帆!」


「そうだね。2人を見てると、自分も頑張らなきゃって思える」