危ナイ隣人

照れ隠しだってバレてるから、ナオくんはしっかりツッコミを返してくれたけど。


もっとカワイイ反応したかったのに。経験値のない私には、そんなスキルありませんでした。無念。



「まぁでも……あの時、圭太がネックレスを選んだ理由がわかった気がするよ」


「へ? どういうこと……?」



首を傾げた私の胸元に、ナオくんの手が伸びてきた。


ペンダントを掬い上げて、ナオくんの長い睫毛が静かに伏せられる。



「大事な女を守る砦だろ。あからさまじゃないけど、しっかり他の(やつ)に釘を刺せる」



黒く短い髪が僅かに揺れる。

その向こうに覗く瞳には、まばゆい輝きと……何が映っているの?



「高校を卒業して大学に入ったら、これからもっとお前の世界は広がって、きっと俺が知らないことも増える」


「ナオくん……?」


「だから、それつけてお前は俺のもんだって……ちゃんと他のやつに示してくれ」



自信満々な愛情の裏から、時々姿を見せる不安。


不器用なナオくんはそれを甘い縄にして、心地よく私を縛り付ける。

少しずつ、まるで致死量まで毒を盛るように。


──この縄に捉えられるなら、身動きが取れなくなっても構わない。



「しょうがないから、ずっとつけててあげる」


「はは、そりゃ光栄だ」



悪戯に笑った私の頬をうにーんと伸ばしてから、ナオくんは短く私に口づけた。





ナオくんには言わないけれど、私も不安になることがあるよ。


ぶっきらぼうだったりふざけたりもするけれど、ナオくんは私に惜しみない愛情を注いでくれる。

そんな素敵なナオくんを、心の底から好きだと思うほどに。