危ナイ隣人

「うん。どっちも好き」


「選べるようにって2つ買ったけど、食べたかったらどっちも食っていいぞ」


「なんでよ、一緒に食べようよ」



キラキラした、宝石箱みたいなケーキ。

美味しそうだなぁ。どっちを選ぼうか。



うーんと唸っている様子を見て笑ったかと思えば、ナオくんはリビングを出て行った。



洗濯は終わってるはずだし、このタイミングでシャワーなはずもないし、お手洗いかな。


どうせまたコドモって思われたんだろーな。

いいもん、甘いものは正義なんだから。



ケーキを交互に見比べて、睨み合う。


そうしているうちに、再びリビングの扉が開く音が背後で聞こえた。



「おかえり、ナオくん。私、こっちのショートケーキにする!」


「おー。じゃあ俺はチョコのほうだな」



ケーキから目を離さない私の隣に、ナオくんが腰掛ける。


美味しいお寿司を食べてお腹はもういっぱいだけど、ケーキは別腹! いただきます!



「ね、これすっごく美味しいよ」


「よかった。後でこっちも食えよ」


「え、いいの? ありがとっ」



味の感想を交わしたり、一口ずつ交換したりしながら、ケーキを全て平らげた。



……さすがにもう何にも入らない。

ソファーの背もたれに体重を預けていると、視界の端に水色の紙袋が現れる。



「……え?」


「誕プレ」



身を乗り出してナオくんに向き直るけど、彼はいつもの調子で、何ならお茶を啜っている。


誕プレって……これ、しっかりジュエリーブランドだよ……?